【有限会社 綱業商会】従業員2名で港町を支える会社。技術の伝承と業界発展への強い想い。
みなさんこんにちは、goomee編集部です。
今回は兵庫県神戸市にある有限会社綱業商会さんに取材へ行ってきました。
綱業商会さんは船舶向けのロープ類、金属製のワイヤーロープや化学繊維のロープを扱っている会社なのですが、AI技術を活用して業界の課題解決にも取り組まれています。
手作業での技術伝承を考えつつ、業界発展に取り組まれているわけですが、なんと社長と従業員2名の少数精鋭で経営をされているとのこと。
goomeeとしては気になるところが盛りだくさんです。
さて、綱業商会さんは一体どんな会社なのでしょうか…!
有限会社 綱業商会は兵庫県神戸市にある、船舶向けのワイヤー・ロープを取り扱う会社です。 港町神戸にて、港に停泊する船のサポートを行っており、手作業での技術を大切にしながら、AIなどの最新技術を活用して業界発展にも取り組まれています。 |
技術の伝承と業界発展への取り組み
―さっそくですが、事業内容についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
簡単に言ってしまうと、船舶向けのロープを扱う会社です。
ロープ自体を仕入れて販売するということもあるんですけど、どちらかというとそこから手作業で部品を取り付けて加工をしたり、それ自体をつかってネット状にして、人の転落防止用のネットを外交に出ていくような船に対して納めるというようなことをやっています。
―ありがとうございます。他にもHPでAIなどの最新技術を活用されているという情報を拝見したのですが、こちらについて聞かせていただけますか。
最近は新しい事業ということで、中小の製造業さん向けに最適な業務を行えるように、AIの導入支援のコンサルティングを行っているんです。
これは中小の製造業界が抱えている課題の部分でもあるのですが、業務に関わるデータの取得や管理ができていない場合が多いんです。
規模が小さな製造業者になればなるほど、古い機械を使っていらっしゃっていて業務にかかるデータが取れていなかったりするのですが、今後のことを考えると、データを取得・管理するというところが大事になると思っています。
基本的にはアナログの機械なので「デジタルデータが取れない」という状況に対して、最新のAIのセンサーなどを取り付けたりして、データ取得のサポートを行ったりしています。
―すごい…!確かに今ある技術が人の中にしか蓄積されていないとしたら、技術を残していくことが難しくなりますよね。
そうなんです。いろいろな会社にコンサルティングをさせていただく中で「データ分析をしていきましょう」という話になっても、そもそもデータ自体を持たれていないお客さんが大半だったりするので、業界に対してデータ取得のサポートが必要だなと感じたのがきっかけですね。
港町をこれからも支えていくために
―AI導入支援事業にはそのような背景があったのですね。これはワイヤーロープの加工事業も含めてお伺いしたいのですが、事業を行う上で大切にしていることなどを聞かせていただけますか?
そうですね…ワイヤーロープの加工について言うと、技能をこれからの世代へ伝承していくということは意識しています。
この辺りは港町神戸ということで船舶関連の事業者がとても多いです。
日本でいうと、横浜、神戸、北九州など船が入ってくる場所にそういう産業が育っているんですが、船の場合その港に入ってきたタイミング(短期間)で納める必要性があります。
短納期で対応する必要があるので、港の近くで作業をする必要があって、港に入ってきたときにしっかり提供できるように、手作業で行うものは継続して続けていかないといけないという思いがあります。
一時期、加工をほとんど外注していたことがあったんですが、私が代を受け継いでからは、加工を自社でしっかり行うとか、熟練の作業者から習いながら技能やスキルの伝承をしていきたいという想いがあります。
―素晴らしいですね…!きっとAIの導入支援にも関わってくることだと思いますが、自社で技術の伝承していくことの大切さを実感しているからこそ、そこに発生する課題にどのようなサポートが必要かが見えているというか…
常に自社や業界の課題に向き合われているからこそ、AIの導入支援を始められたというような印象を受けました!
アイデアと技術で業界を進化させる
―それでは最後のご質問になるのですが、会社としてこれから挑戦していきたいことや、世の中に伝えたいことなどがあればお伺いしてもよろしいでしょうか。
これは先ほどもお伝えしたことですが、ワイヤーに関しては手作業で行うものを、しっかり技術としてこれからの世代に伝えていきたいなと考えています。
もう一つ、AIの導入支援事業としてやりたいのは、いろんな会社でAIの導入を実践してうまくいった手法や事例をみんなで共有して「あ、こんなやり方があるんだ!うちでもやってみようかな。」ということが気軽にできる状態をつくりたいです。
大手の企業さんだとノウハウがしっかりあって、それを実践されていると思うんですが、規模が小さな製造業になってくると企業間での接点がほとんど無いので、業種問わず業務を円滑にするノウハウや、自社のリソースを活用して費用をかけずに、社内環境を改善した方法などをオープンな環境でシェアできるような場所を作ってみたいですね。
「こんな方法がうまくいったよ」とか「こうやってDXできたよ」というのは、できたらみんなでシェアして、みんなで一緒に成長できるような世の中になってほしいと思っています。
goomee編集の声
とにかく素敵な会社だったんですが、従業員2名でそれを行っているところがすごいですよね。
従業員のみなさんもとてもいきいき働かれていて、普段から社内で密にコミュニケーションを取られているんだろうな、ということが取材を通してすごく伝わってきましたね。
引き続き、綱業商会さんの魅力をお伝えしていきたいと思います!お楽しみに!