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「今までは良い会社だと認めてもらう手段がなかっただけなんです。」中小企業成長のヒントがここにあった…!?

採用人事担当者が抱える悩みの一つとして「採用戦略」があげられるのではないでしょうか。採用戦略に苦戦する企業がある傍ら、企業ブランディングの取り組みによって「良い採用」を継続して行っている不二電気工事株式会社のブランディングマネージャー中西 顯(なかにし あきら)主任にインタビューをさせていただきました。

△不二電気工事株式会社 中西 顯(なかにし あきら)主任△
不二電気工事株式会社は町の電気工事店として1957年に「尼崎電業社」という名前でスタート。その後1967年に「不二電気工事株式会社」に社名変更し、現在に至る。兵庫県尼崎市に本社を構え「はたらくいい場所」をつくる会社として、電気工事を切り口とした「施設リニューアルソリューション事業」に取り組む。

HP:http://www.fews.co.jp/sp/index.html

―早速ですが、中西さんは不二電気工事株式会社さんとどういう出会い方をされたんですか?

たまたまハローワークで求人票を見つけたのがきっかけです。
うちの会社以外だと営業職を13社くらい受けていて、この会社だけが総務、人事、教育、広報というような募集の仕方だったんです。
今までやってきた広告の仕事や部下を育てた経験、事務作業の経験など自分の持っているスキルを営業以外で活かせるんじゃないかな?と思って、この会社を志望してご縁を頂いて入社することができました。

―それから丸4年になるわけですね…!そんな不二電気工事さんなんですが、どんな会社ですか?

(兵庫県尼崎市)武庫之荘で66年、電気工事の会社です!

―66年ですか!?凄いですね!

官公庁のお仕事をはじめとして、民間のお客様がすごく多い会社です。
そこから長い付き合いでいろんなお仕事をいただいたり、最近では*BCP対策で非常用発電機の設置の工事をいただいたりとか、電気自動車の急速充電器を設置するような工事が増えてきたりというような感じです。

*BCP (Business Continuity Planの略称)…「事業継続計画」のこと。 緊急事態が発生した際に、企業が事業を継続したり、迅速な復旧を行ったりするための計画。

―会社のHPを拝見すると、社長のお言葉で「単なる電気工事の会社ではない」というようなことを書かれていましたが、具体的にどんな取り組みをされているのか教えていただけますか?

「働くいい場所をつくる」会社ということで、そこで働いている人たちが気持ちよく一日の大半を過ごせるような職場をつくるために働くことが営業の人であったり工事部の人、その他社内のみなさんが念頭においているところかな?と思います。
なので売り上げを上げるため、利益を稼ぐためというよりはどちらかというと「お客様の役に立つよりいい方法を提案する」というところがうちの会社の良いところじゃないかな?と思います。

―なるほど…!しかも地域密着ですよね?つい最近地元で開催されていた盆踊り大会に参加されたとお聞きしました。

そうですね、盆踊りについてはあれもお客さまなんですけど、お寺の盆踊りの仮設工事をうちの1年目、2年目の社員とで、仮設工事をやり遂げてくれました。
他にも地域密着でいうと、近くの公民館の上に尼崎市とタイアップして太陽光発電機を設置したり、地域のお祭りの工事とかもさせていただいたり…

お祭りでは僕たちも出店するんですけど、「電気の学校」といって地域の小学生とか幼稚園の子たちにちょっとでも電気に興味を持ってもらえるような取り組みをしています。
「将来電気の関係に進みたいな」と思ってくれる子が1000人に1人でもいてくれたらいいなと思ってやっています。

―「電気の学校」ですか!取り組みに対する子どもたちの反応はどうですか?

楽しんでやってくれるんですが「今電気に興味があるか」というと、それはこれからの部分なのでわからないところはあります(笑)
ただ、求人活動会場の説明会などに行くと「電気の学校に参加したことがあります!」と言ってくれるお母さんとかがいたり、そこに来ているボランティアスタッフで「一緒にさせてもらいました!」という大学生の子たちが着席してくれたりするので「やっていてよかったな」とか「やっと浸透してきたのかな」と思います。

―中西さんは子どもたちや親御さん、学生さん方と触れ合う機会が多いんですね!
話は少し変わるんですが、社長からは「ブランディングマネージャーとして採用などの素晴らしい成果を上げていて、すごく期待している人材なんです。」ということを仰っていただきましたが、ご自身では働きぶりをどう評価されていますか?

働きぶり…(笑)

ブランディングはこの会社に入ってすぐにさせてもらもらったんですが、会社としてすごく良いことをしているけど「外部に認められる手段がなかった」という課題があったんです。
なので「これやったら認証とれるんじゃないか」とか不二電気工事の良いところを認証をとることで周りに認めてもらえるよう取り組みました。
あとは社内を見ていただいたらわかるようにうちの会社は女性が多いんですが、去年は大阪市の女性リーディングカンパニーの企業表彰というのを頂きました。

―おぉ!おめでとうございます!!凄いことじゃないですか!!

そこは表彰されたのが初めてだったのですごくありがたいな思います。
僕自身建設業ってちょっとキツイというか、しんどいというイメージがあったんですけど、そういう表彰がきっかけで「ワークライフバランスが取れている会社ですよ」とか、いろんな認証をとっていることで説明会とかでも会社の良いところを説明しやすくなりました。
また「こんないいところがあるんだ」というのを自分も再認識できますし、さらにそれをどうやって周りに伝えようとか考えるきっかけにもなります。

認証を取ったことがきっかけで会社のことをいいなと思って入ってきた人たちがどんどん増えてきたということも嬉しいところですね。
そういう取り組みもあったからか、今年は4月に大学新卒で3人入ってきてくれたんです。
1人は男の子で近隣の短大卒業の社員なんですが「近くにこんな会社があったんや」というのを説明会で知ってもらうことができたようです。
説明会をしてから内定が出るまで1か月弱くらいの短期スパンで採用を決めることができたり、あとは大卒の女の子が工事部の方にきてくれました。

―おぉ!女性が工事部にですか?

はい、現場管理に進みたいと言って入社してくれた社員が一人います。
うちは女性も活躍できる職場なので、ぜひその社員にも今後このような取材も受けれるようになってもらって「電気工事の現場管理は女性でも頑張れるんだよ」というような看板になってもらえたらなと思っています。

彼女が現場にいっているところを僕もインターンシップの子たちをつれてお邪魔してきたんですけど「熱中症は大丈夫ですか?」とか言いながら塩タブレット配ってみたり、手がつってきたという人がいたら自分が持っているスポーツドリンクを渡したりとか…
なんか僕たち男性にはできない気配りが女性にはあるんだなということを感じました。
職人さんもおじさんが多いからちょっとかわいがってもらえたりとか、女性ならではの活躍が見られて嬉しく思います。

―それは素晴らしいですね…!それでは最後に中西さんの今後の目標を聞かせていただけますか?

僕の目標というよりは入社したときに立てた一番の目標なんですけど、みんなに辞めてほしくないと思っています。それも輝きながら、長く働いてほしいです。
なのでしんどいと思ったことはすぐに相談してほしいし、それを全部解決していってみんなが働きやすい環境にできたらなと思っています。

◆編集の声◆

goomee編集:中村

「電気の学校」などといった地域密着の取り組みが個人的に印象に残りました。
1000人に1人が電気工事業界に興味を持ってくれたらいいというスタンスが、結果として参加いただいた方々に徐々に浸透していっているというのを中西さん本人が感じれる部分がいいですよね。

goomee編集:大久保

会社として良いことをしている本人が、誰かから褒めてもらえる場所ってものすごく大切なんだと思いました。
実際、「やっててよかったな」という気持ちが出るまで地道に試行錯誤しながら継続していった中西さんの姿勢があったからこそだと思いますよ。

goomee編集:中村

本当にそうですよね。

あとは、女性活躍リーディングカンパニーを表彰されてから、中西さんの建設業に対するイメージが変わった実感があったのもよかったですよね。
「女性が働きにくい」とか「ワークライフバランスがとりにくい」イメージを持たれがちな建設業界でも自分の働いている会社は「良い会社」という自信にもなりますし・・・
この部分のインタビュー中は、いきいきとしながら話されてましたよね(笑)

goomee編集:大久保

私も印象に残ってます(笑)
認証をきっかけに新入社員も増えてきているようですし、今年は現場作業員にも女性の方が入社されたというお話もありましたので
是非、また取材させていただきたいですね。

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