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高卒就職が抱える課題とどう向き合う…?若者の未来を明るく照らすために私たちがやるべきこと。

皆さんこんにちは、goomee編集部です。
今回は高卒就職の現状を変えるため、日々奮闘をされている株式会社アッテミー 代表の吉田 優子さんにお話をお伺いしました。

皆さんは高卒就職に対してどんなイメージを持っていますか?
数字でみたとき、高校卒業後に「就職」という選択をする学生の数は全国の高校生のうち約13%だそうです。約13%というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、その数はなんと約12万3千人にものぼるんです。(令和5年9月時点)これを聞けば決して少なくない数だということを感じていただけるかと思います。その約12万3千人の高校生たちが「高卒就職」の課題に直面している…そんな現状に対して、吉田さんは一体どのように向き合っているのでしょうか。

株式会社アッテミー / 代表 吉田 優子 さん
(写真中央の女性)
株式会社アッテミー 代表の吉田 優子さんは高校生の頃に「良い企業に入るためには、いい大学に入る必要がある」という価値観が社会にあふれていることに疑問を感じていたとのこと。多様な働き方、生き方が認められる社会にするため、「課題を多く抱える高校の進路指導を変えたい!」という想いから「ATTEME」を立ち上げられた。
HP:https://atteme.com/

―早速ですが吉田さんが運営されているサービスについて教えていただけますか?

高校生インターンシップマッチングサイト「ATTEME」を運営しています。
高卒採用の求人から企業へのエントリーまで直結で行えることが特徴です。

―このサービスを始めようと思ったきっかけについて教えてください。

高卒就職独自の文化に疑問を感じたことがきっかけです。
高校生の就職活動は「学校斡旋」という学校推薦を受けて就職活動を行うのが一般的なんですが、採用したい企業は求人内容をハローワークに提出して、発行された求人票を高校へ送ります。
そして高校生は学校に届いた求人票の中から受験先を選ぶような形になっているんですが、そのなかで私が疑問に感じている文化というのが「一人一社制」という制度です。
高校生は大学生のように同時に何社も応募できるわけではなく、一人一社しか応募ができないんです。

―え、一人一社しか応募ができないんですか!?

そうなんです。高校生が一人一社しか応募できない中、応募先を考える自分軸が育たないまま会社選びをしていて、そこにミスマッチが生まれていると感じました。高卒就職が高校生にとっても企業にとってもいいものにすることができれば、今よりもっと魅力的な社会になるんじゃないかな?と考えたんです。

―なるほど…高校卒業後の進路として「とりあえず進学をする」という人が多いように思いますが、「就職」という選択ももちろんありますもんね。それがいま不自由なものになっているということですよね…。

その「とりあえず進学をする」にも奨学金問題や大学中退など様々な課題があると思っています。18歳の時に「進学」と「就職」を対等な選択肢として考えることができれば、大学進学する目的意識も明確になると思っています。
18歳の進路選択は、自分の人生を自分自身で初めて決断する大切な機会だと思うからこそ、私たちが「学校」と「社会」をつなぐ役割を果たします。
高校生が自分の知らなかった「仕事」や「生き方」に触れて自分の可能性を信じられるようにすること、主体的に自分の進路を選択できるようにすること、それらのサポートを私たち「ATTEME」が行うんです。
「高卒就職が抱える課題を解決して、高卒就職の選択を魅力あるものにする。」それが私たちの目標ですね。

―素晴らしいお考えですね…!まさにサステナブルな社会を実現するためのサービスだと思いました。先ほど高卒就職の課題で「一人一社制」のお話をされていましたが、他に課題などはあったりするのでしょうか?

そうですね…いくつかあるのですがここでは大きく3つ挙げてみようと思います。
1つ目は、先ほども少し触れましたが高校生に仕事を選ぶ力が備わっていないということです。
高校生がそれまでの人生で関わったことのある仕事や、身近な大人の働き方や生き方しか仕事選択の情報がないんです。いざ就職活動をするとなったときに、仕事選択の情報が少なくて「家から近いところ」とか「親が事務職って言ってるから…」というような形で決めてしまうケースが多いようです。

2つ目は、受験したい企業を受験できないという現実です。
「学校斡旋」で就職をする場合、校内選考があるため全員が第一希望の会社を受験できるわけではありません。斡旋順位が自分よりも上の生徒が同じ企業を希望していた場合に応募すらできない高校生が毎年います。

そして3つ目は早期離職率の高さですね。
卒業後、3年以内に約40%の高校生が離職しています。
1年目で辞める高校生は約20%。つまり全国で約3万7,800人が入社1年目に辞めているんです。この1年目で辞める高校生の半数近くが、働き始めて3か月以内の離職であるとの調査結果も出ています。

公式HPより引用:https://atteme.com/method/step2/section2-4/

―全国で約3万7,800人が入社1年目に辞めているというのは驚きです…!さらに言うと、挙げていただいた3つの課題はどれも密接に関係しあっているように感じました。糸口が見つかれば高校生と企業両面での課題が解決しそうですよね…。

私の想いとしては、今高校生の人たちが、未来につながる意志ある進路決定をできる社会にしたいと思っています。そのためには、高校生に仕事や生き方のイメージを豊かにする機会を提供する、高校生の就職活動をサポートする、
高校生と企業がお互いを理解する機会を提供する、キャリアの考え方を学ぶ機会を提供する…。
これこそ自分が取り組むべき課題だと感じて「ATTEME」のサービスを開始しました。

―高卒就職の課題が解決すれば社会はもっと豊かになる。初めて知ることも多く、大変勉強になりました…!「ATTEME」の今後が楽しみです!最後に吉田さんが今世の中に発信したいことなどがあればお聞かせください!

私が目指す形は高校を卒業した後に、就職や進学、起業、海外留学、ギャップイヤーなどどれも魅力的な選択肢として不自由なく若者が選べる社会にすることです。これからの社会を支えてくれる、若い世代の人たちに「学び」と「働く」の持続可能なモデルをつくりたいと考えています。
そのためにもまずは高校生が行きたいときに、いつでもインターンに行けるような社会をアッテミーがつくりたいと思います。

◆編集の声◆

goomee編集:大久保

高卒就職の課題を知って、かなり驚きました。おそらくいろんな事情はあると思いますけど、「一人一社制」ってかなり酷な制度ですよね…

goomee編集:中村

学生の「働きたい」と企業の「人が欲しい」がその制度一つで繋がっていかないわけですもんね…

きっと現状でもそれに不満を感じている人は多いと思いますけど、そんな課題に向き合う吉田さんのような方がいれば希望が感じられますよね!

goomee編集:大久保

吉田さんもお話されていましたけど、高校生に仕事を選ぶ力が備わっていないというのも大きな課題ですよね。
私自身、高校3年生の頃を振り返ってみると働くことなんて全くイメージできなかったです(笑)

自分が何をやりたいか、何が自分に向いているかなんてこともあまり深く考えてなかったですし、そのサポートがあるだけでも今よりいい就職につながりそうですよね。

goomee編集:中村

働く前と働いてからのギャップをサポートで埋めることができれば、働く人や企業にとってもいい効果が期待できますよね!

持続可能な社会を実現するためにできることってたくさんあるんだな、と感じました。

これからのご活躍が楽しみです!

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